2007年4月18日水曜日

言葉遊び

日本の街角で見かけた看板広告の一つ。タイトルの「こんばん和」とは、「今晩は、和(食)」とすぐに気づいた。これで看板の読み方のルールを心得たとばかりに、さっそくメニューのほうに目を移す。読み解くまでにはさすがに一苦労。試行錯誤に声に出して読み続けて、ようやく答えが見えてきた。どうやらつぎのような献立だ。


御夢烈・おんむれつ・オムレツ
素把月亭・すばげつてい・スバゲッティ
半場隅・はんばぐ・ハンバーグ
活気婦雷・かっきふらい・蛎フライ
相撲食佐門・すもうくうさもん・スモークサーモン
秘坐・ひざ・ピザ(略。絵をクリックして続きを挑戦してください。)

さすがに楽しい。知らず知らずにささやかなパズル解きの旅に誘われた思いになった。

解説するまでもなく、この言葉遊びは漢字とカタカナ言葉との距離をミソにしている。そして漢字の漢字たる所以の意味を無視して、それをただの表音記号として用いたのは、日本語における漢字使用の始まりだった。それが「万葉仮名」という。千年以上経ったいまにおいても、その万葉仮名という使い方は、人名や地名に残されて、完全に姿が消えたわけではない。いわば日本語の分かる人なら、その理屈を身に付けている。だからこそこのような言葉遊びに共感し、面白みを感じるのである。

もともとこれが飲み屋の広告のようだが、はたして和食なのか、洋食なのか、それとも和洋折衷なので、日本で生活していないわたしには、にわかに分からない。ちなみにこれが数年前の写真だ。同じ店がいまでもやっているとすれば、きっと新しいバージョンを出していることだろう。同じように楽しいに違いない。

It was an enjoyable challenge for me to read this advertisement from Japan. It applies kanji to express some popular western meal menu. As a principle, however, this way of using kanji represents a very old tradition, while Japanese people used Chinese characters only indicating sounds (syllables) but not meaning.

万葉仮名や年号の変換
ことば遊びの重箱

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