2007年4月17日火曜日

トイレ


学生たちには、自分でテーマを決めて東京を観察し、レポートするように要求した。戻ってきたテーマには、「トイレ」が入っている。日本のトイレ、どうやらそれだけで文化的な特徴を持っている。

思えばこれを表わす言葉がまず一つの風景を成している。普通のオフィスビルやデパートなど公共の場に入ってみれば、その標識には、おそらくつぎのものが平均に用いられている。「お手洗い」「便所」「トイレ」「W.C.」。それに絵標識、高級ホテルなどにみる「紳士」「淑女」、お寺などの由緒ある看板まで入れると、さらに多彩多様だ。異なる言葉が用途や用法の差をほとんど持たないで共存し、和・中・洋の完璧な折衷あるいは平等の観を呈する。

一つの事象にめぐって、それを捉える言葉が時の移り変わりに伴って変化し、あるいは使う主体や置かれる状況によって違う表現が選ばれるという言語の現象は、よく知られている。しかしながら、違う言葉が同じレベルで一つの事象を表わし、仲良く共存することは、おそらく日本語において一番簡単に確認できる現象だろう。

おかげで日本語学習の初心者たちには余計な苦労を強いる結果になることを付け加えたい。

There are a number of ways to indicate "washroom" in Japan. You can find them equally at signs in public places. These different expressions represent different origins in Japanese, Chinese and Western languages. It is, nonetheless, a headache for beginners of Japanese.

東京トイレマップ

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