2007年6月19日火曜日

音声付き作品

当たり前のことだが、サーチを掛ければ豊富な情報と出会えるインターネットでは、こちらから進んで探し求めてみないと、なにも現われてこない。そこでほぼ半分習慣になって、本屋に入って本棚の間を歩き回るのと似たような感覚であれこれと検索をしてみる。その中で気づいた言葉の一つは、「音声付き作品」。こういうキーワードもあるものだと、率直な感想だった。

そもそも日本語の作品は、音声になっているものがあまりにも少ない。二年ほど前からの、ポッドキャストという方法が普及して以来、事情はかなり変わったと言えよう。表現の可能性を探る真摯な個人による発信に加えて、大手の放送局が番組の小さな部分をショーウィンドーのように公開して、日常的に聞くべき内容が大きく増えた。それに朗読を志す人々は、表現のレベルを上げようと切磋琢磨する。このような展開の中で、明らかに抜けているのは、小説などの読み物類を音声化する動きだ。そこですぐに持ち出されるのは、著作権をめぐる議論である。いうまでもなく音声を出版というルートに載せるためには、まさに書物などの著作権を持っている出版社あるいは作者自身が仕掛けるべきことなのだ。いまのような、ごく小部数の出版と、普通の消費者が手の届かないような値段の設定は、とてもそれを広める方向を示しているとは思えない。

このことを友人と議論すれば、日本人が読書を習慣としても、朗読を聴くを受け入れないのではないかととの考えを聞く。そうなのかもしれない。でも、逆のことも言える。ストーリを音声をもって楽しむ伝統は、昔からたしかに認められる。そして、読書を置き換えるのではなく、それと棲み分ける、読者の違う時間とスタイルに応えるということは、まさに新しい習慣として望まれることだ。

音声による読書は、きっと広まる思う。そのような展開は、いつ、どこで、どのようにやってくるのだろうか。これに関心をもつものとして、どのように寄与できるのだろうか、よく自分に問いかける質問である。

With the development of Podcast, we became to be able to access to many aural materials. However, it is still the case that, comparing with the English world, there are much fewer such materials in Japanese.

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