2007年4月15日日曜日

とろける・とける


ラジオを聴いて、楽しい会話の一こまがあった。「(人間が)とろけた」との発言があって、それを受けたアナウンサーがすかさず「とけた」と直した。

「とける」と「とろける」。まるきり違う言葉のようでもあり、かなり似通ったもののようでもある。はたしてその本質の差はどこにあるのでしょうか。辞書を調べてみれば、前者は固体が液体になること、後者は固まったものがやわらかいものになることをそれぞれ指す。辞書的な用例ですと、前者は氷、後者はバターを持ってくる。いかにも分かりやすい。でも、両者の意味範囲の外縁にあるものが互いに交差し、それがもたらす微妙なニュアンスこそ表現のミソである。言う人の気持ちがそこに集中され、集約されてしまうとさえ言えよう。

ここ数日、「氷が溶ける」というのが、一つの政治用語としてニュースを賑わせている。中国首相の訪日を語る中国メディアの造語を日本メディアが苦労して訳したものだ。「破氷」「融氷」と中国語らしい言葉の綾をありのまま伝えることはとうてい難しい。一方では、長い冬に包まれるカナダのロッキー山脈はようやく春を迎えた。ひと冬凍った氷が溶けはじめると、細長い棒となって川の表面を絨毯のように敷き詰める。ここでは「氷が溶ける」という表現を用いても、異なるイメージを指すことになる。(C.Y.撮影)

Both these two words mean "to melt" but they are often used in rather different situations. Here at a popular radio talk show, the hosts had some difficulty to decide which one to use for describing a situation involving human beings. On the other hand, at the Rocky, we see an unique scene while the ice became to melt in the Spring.

コラムの花道(4/13)

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