2007年5月4日金曜日

電話


電話。おそらくこれほど時代の変化をリアルに映し出す言葉がないのではなかろうか。

日本の街の風景の一つには、色で分類された電話がある。街角に置かれた電話は、その色により、使い方も、掛けられる範囲も違う。二十年ほどまえは、百円硬貨を十円のそれに両替してもらって、それをピンク電話の上に堆く並べて真剣な表情で電話器を握るといった人の姿は、けっして映画のなかだけのものではなくて、実際にあっちこっちで見かけられた。そのうちグリーンの電話が誕生して、高級感の電話ボックスが駅前などに現われたときは、りっぱなものだと、そのころの人々がみんなそう思っていた。いつの間にかグレー電話が現われ、さらにあれこれの会社の、形も掛け方もさまざまなものが電話の一角を所狭しと並べられた。それとともに、携帯電話というものが生活のなかに大挙して入った。

いまや電話といえば携帯を指す、というところまでなった。その証拠に、これまでにはけっして聞きなれていなかった「固定電話」という言葉が生まれた。時の流れとともに、変わらない言葉をもってめまぐるしく変わる内容に当てるという、やや妙な言語現象をわたしたちは実際に体験している。

In Japan, public phones on the street have a number of types based on the calling ability and the way of payment, and they are indicated by different colors. Now, a cellphone becomes more and more popular, and it has almost taken over the use of the word "phone (denwa)"

電話コレクション

1 件のコメント:

ビジネスマナーの電話 さんのコメント...

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

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