2007年4月30日月曜日

外来語の言い換え


日本語では、外来語が乱用されているとの嘆き声が聞かれて久しい。それに対応しないと、と有識者も、政府機関も、教育関係者もみんなあの手この手の提案をする。その中でも、約一年前に「国立国語研究所外来語委員会」が纏めた「『外来語』言い換え提案」というのが一つの典型を示す。その提案は、「分かりにくい外来語を分かりやすくするための言葉遣いの工夫」との副題を持ち、約二百語の外来語を取り出して、丁寧に置き換えの言葉を並べた。いかにも学者たちの仕事らしく、使用調査などの基礎作業も怠らなかった。当時は新聞やニュースにもかなり取り上げられたと覚えている。その実際の提案、いまから読んでいてもとても楽しい。

二つの例を見てみよう。リストの一番目にあげられたのは、「アーカイブ」。西洋のシステムを取り入れながら、在来の資料あるいはその集め方とは異なる、との自己主張を伴う施設などは、この言葉を多用していると思われる。だが、ここでは「保存記録」あるいは「記録保存館」、さらに場合によっては「史料」「公文書館」「文書館」などもよし、との提案だった。同じリストの最後の一語は、「ワンストップ」。こちらのほうはさすがに日本語の言葉としてはぎこちないが、なにせこれによって表現される概念そのものは在来の日本語にはそぐわない。提案された言葉は、「一箇所」、あるいは「一箇所集中」、「窓口一元化」、「総合窓口」だった。もとの外来語以上に日本語らしくない、というのはわたしの偏見だろうか。

提案をリストを読んでいて、外来語のある言語生活への苦慮や対応の苦労が、滲んでるぐらい分かる。しかしながら、はたしてこのような提言は、状況を変えることに役立つのだろうか。

Many English or European words are using in Japanese. There is a serious concern to limit the use of such words, however, it seems that no solution has been found so far.

「外来語」言い換え提案

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