2007年6月6日水曜日

君とアリエール


日本にいないと、テレビコマーシャルが目に、耳に飛び込んでくることはまずない。インターネットなどからは、コマーシャルそのものを見ようと思えばできないことはなく、一昔まえの環境とはかなり違うようになった。しかしながら、コマーシャルはやはり無防備で無作為に入ってくるべきものだ。それだからこそ、繰り返し聞いているうちに、気づいてくることがある。

その中では、頻繁に登場し、かつおおかたよい印象を残しているのは、「君とアリエール」だ。洗剤の広告だから、これからの露の季節に向けて、いっそう露出度が高くなるだろう。

このキャッチフレーズの妙は、いうまでもなく言葉の響きにある。商品名はこの広告の設定のために付けたのだとはとても思えない。でも、とにかく聞いていて、心地よい。暖かい家族の中での「君」と「アリエール」、そして「君とあり得る」。このように答えまで書いてしまえばどこか落ち着きのなさも感じさせるが、フレーズの響きはそのような連想をはっきりと誘い出そうとしている。

このような言葉の遊びは、日本語の中では一つの定番だ。コマーシャルの作りにも枚挙に暇ない。古い考え方でいえば、掛詞。しかしここではおそらくそれにも当たらない。言葉のしゃれ、場合によっては駄洒落、といったところだろうか。

コマーシャルの終極の目的は、商品の認知度を植えつけることにある。その意味で言えば、新しい言葉を作り出すのも、言葉遊びをやってみせるというのも、あくまでも手段だ。そのような手段がもしも商品とともに大当たりをし、新しい言葉を作り出すことがあれば、それはすでにコマーシャルの役目を大きく上回ったことだけを記しておこう。

To mean two things at once, or to hint another issue with one prepared expression, this is a basic embellishment in Japanese. One can find many examples in TV commercials.

アリエール

0 件のコメント:

あなたのコメントをどうぞ。タイトルをクリックして、「コメントを投稿」を選んでください。