2007年7月1日日曜日

准教授

新聞の記事、あるいは友人のサイトなどには、見慣れていない言葉に頻繁に出会うようになった。大学勤務の職名で、「准教授」という。最初のうちは、これは不注意による文字使いの間違いだとかなり自信をもって思ったのだが、調べてみれば、またまた自分の自信過剰だと分かった。なんと今年の春から実施し始めた「学校教育法」によるものだった。

「准」とは、いうまでもなく「準じる」ことを意味する。ここの場合、すなわちいまだ教授ではなくて、それに準じて、ほぼ教授になる、ということだろう。「准教授」の次は、昇進して「教授」になるものだから、教授よりは一つ手前のステップ、あるいはポストと考えてよかろう。だが、新しく実施した教育法は、「助教授」というのを止めてこの職名を用いたものだ。その理由は、順位からにして教授より一つ手前の職でも、独立して指導や教育に当たるものだから、「教授を助ける」という言い方は望ましくない、との考えなようだ。長年続けてきた大学教員の仕組みのなかで、「助教授」とははたしてここまで字面から使用されたり、理解されたりしてきたものかと、不思議に思った。

それよりも、以上の考えをそのまま取り入れるとしても、はたしてどうして「準」という文字を使わないで、わざわざ難解で用例の少ない「准」という文字を選んだのだろうか。これだけすべての大学の人事関係に影響を及ぼす法律の改正で、このような文字選びをしてしまうという、漢字感覚そのものに首を傾げる思いがする。いわば珍しいもののほうが、言葉の新味やインパクトを増す、という考えでも裏に働いているものだろうか。

There is a new name for the old positing of university professors in Japan according to the new Law of School Education. In this name, a rarely used character was given a spotlight.

学校教育法

0 件のコメント:

あなたのコメントをどうぞ。タイトルをクリックして、「コメントを投稿」を選んでください。