2007年6月11日月曜日

禁止表現


人に特定のことをしないように指示する禁止表現。どの言葉においてもこれが微妙なものだ。指示をはっきりしなければならない。だが、望ましくない行動がすでに発生したというわけではなく、表現そのものをできるだけソフトで丁寧にしなければならない。言い回しと発想の妙が競われる。

言語教師という立場上、表現をついつい形の上から分類をしはじめる。初心者も分かるような文型なら、「てはいけない」「てはならない」をまずあげる。「ないでください」と続ける。「○○するな」も分かりやすいが、ただし用途が限定されていて、日本語クラスでは意外と多くは取り上げられていない。また、街角に張り出される看板類になれば、「○○禁止」「○○厳禁」となって、漢字の語彙を用いる。このようにあげていけば、さらにいくらもパターンがあるに違いない。

おそらく一番日本語らしい禁止表現は、「○○をご遠慮ください」ではなかろうか。いわば漢字を用いた和語で、その発想もじつに遠まわしをしていて、かつはっきりしている。さらにいけば、「禁煙のご協力をお願いします」のような文句になると、禁止の指示をしていながらもすでに禁止表現から離れたと言わなければならない。

Occasionally we see a public note such as "Thank you for not doing..". In Japanese, there are rich expressions to carry out this very similar idea.

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